まねら部! 低資産30代セミリタイア日記

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『きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』の読書メモ

今回は『きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』という本を読んだ感想を共有したいと思います。この本は、中学生の優斗が投資銀行員の七海と出会い、ボスのもとで一緒に「お金の正体」と「社会のしくみ」を学ぶというストーリーです。

 

 

 

あらすじ

商店街のとんかつ料理店の息子で中学生の優斗は両親が苦労してお金稼いでいる姿を見て、一番お金が稼げる職に就きたいと考えていた。ひょんなことから投資銀行に勤める七海という女性に出会い、屋敷に住んでいる謎のおじさんに会いにいくことになる。そのおじさんは投資で儲けていてみんからボスと言われており、二人はボスの下で「お金の正体」と「社会のしくみ」について学んでいく。

読書メモ

自分の解釈を踏まえてよかった点を読書メモとして残します

お金は税金で価値が発生する

この本で最初に学んだことは、お金は税金で価値が発生するということです。昔はお米で年貢を納めていましたが、地租改正で紙幣に変更されました。しかし、紙幣では胃袋は満たされません。紙幣で税金を徴収することで、人々はただの紙である紙幣に価値を感じるようになりました。

税金を払わんかったら警察に捕まって、土地を没収されるんやで。必死になって貨幣を手に入れるしかないねん。(P46)

税金の導入によってお金(貨幣)が必要になる(P61)

仮想通貨に価値を感じない理由

次に、仮想通貨が普及しない理由について考えさせられました。それは、仮想通貨で税金を納めることができないからです。

仮想通貨でないと税金を納められないとなったら、みんなこぞって仮想通貨を欲しがるやろな(P46)

紙幣の価値は家庭用紙幣で考えるとわかりやすい

また、紙幣の価値については、家庭用紙幣で考えるとわかりやすいという例を挙げています。サクマ家で母が日本銀行、父が日本政府、子供たちは小さな社会と仮定して、母がトランプで54枚サクマドルを発行し、父がその54枚サクマドルを借りて1年後に利息を付けて返す借用書(日本国債)を発行して母に渡すというストーリーが描かれています。そして、子供たちは家のお手伝いをするごとにサクマドルを貰います。サクマドルはサクマ家だけの紙幣なので一般社会では価値がないのですが、家で毎日スマホを使用するには5サクマドル払わないと使えないという家ルールを設けると、サクマドルに価値が発生します。つまり、これは税金と同じです。

格差を減らす大富豪

本書では、昔なら大金でしか享受できなかったサービスを、現在ではスマホひとつで情報に触れて買い物ができるようになったことを指摘しています。格差を縮めるサービスを提供してきたAppleGoogleAmazonなどの創業者は、社会を便利にしたことで大富豪になりました。

みんなを等しく便利にした会社の創業者が、結果的に大金持ちになったんや(P149)

全体の預金が増えているのは、誰かが借金をしている

日本政府の借金は1200兆円で、国民一人当たり1000万の借金です。しかし、個人や企業の預金は1400兆円もあります。これまで政府が借金して使ったお金は、消えたわけではなく、労働の対価として国民が受け取り、循環して誰かの預金になっているのです。つまり、政府のマイナス分の借金=個人や企業の預金のプラス分です。

みんな、上の世代に文句を言うんや。『上の世代の借金なんて自分たちは知らん。なんで背負わんとあかんのや』ってな。それなのに、自分の親からは、お金を相続して当然やと思っている。親も上の世代であることを都合よく忘れているんや(P182)

借金する国ではなく、働けない国が破綻する

日本の累計貿易黒字は250兆円ですが、最近は大幅な貿易赤字が出ています。少子高齢化による働き手不足、技術力低下で日本円の価値が低下しています。

僕らは借金と引き換えに今の生活を送れているんやない。借金と同じだけ預金が存在しているし、今のところは、外貨をたくさん貯めている。せやけど今がふんばりどきや(P193)

お金の奴隷になっている大人

世界の課題を一時のビジネスチャンスと見るのはだめな大人です。世界全体が直面している問題に関心をもって、未来を守るという目的を共有することが大切です。

お金の奴隷になっている大人たちのように、SDGsという標語を掲げるだけで、ビジネスチャンスとして金儲けに走れば、”ぼくたち”はせまいままや。お金の奪い合いが始まる。そうならないために、僕らは未来を共有したほうがいい(P217)

総評

この本は中高生を読者対象としているようで、分かりやすくかつ物語形式でとても読みやすかったです。

2時間もあれば読み終えることができます。

 

「お金」は税が伴うことで価値が発生するという視点が良かったです。私が仮想通貨に魅力を感じないのはこの点なんだと再認識しました。

あとSDGsをビジネスとしか捉えていない企業を皮肉っていた点も私と同感。SDGsのフレーズを聞くのはもうお腹いっぱい。

 

この本はお金を題材にしていますが、愛の大切さも伝える内容です。ネタバレになるので詳しくは書きませんがぜひ読んで欲しいです。

 

お金の本質や社会のしくみを理解することで、お金の奴隷にならずに生きるためのヒントを得られる本でした!

 

ではまた!!